石橋 拓真
氏名:石橋 拓真(いしばし たくま)
年齢:58歳/出身:大阪市
学歴:京都大学大学院経済学研究科・経済学部
経歴:米国の資産運用会社にて取締役常務を務め、家族信託・資産管理を担当。
Ⅰ. 時代とともに育った視線
戦後復興と高度成長を見聞きし、バブル崩壊の痛みも身近に感じた世代として、個の歩みは国の歩みと響き合うという思いが、石橋の根にあります。若い頃に海を渡り、基礎から積み上げ、市場が荒れるほどこそ節度を守るという姿勢で信頼を得てきました。
Ⅱ. 海外での研鑽と信頼
ニューヨークでの長い実務の中で、ITバブル崩壊や2008年の金融危機を経験。拙速な追随を避け、顧客本位を貫くことで、家族資産の長期的な保全と成長に努めました。 その歩みは、短期の利得よりも、約束を守ることに重きを置く姿勢として評価されています。
Ⅲ. 帰国の決意と問題意識
人口構造の変化、成長期待の鈍さ、国際情勢の不透明さ――。こうした環境の下で、民間ができることを丁寧に重ねる必要を強く意識し、帰国を選びました。国内に会社を起こし、家計・企業の資金が再び日本の土に根を張る循環を意識した支援を進めています。必要な手続はあらかじめ整え、信頼に足る枠組みの中で事業を運営しています。
Ⅳ. 取り組みの重心
• 資産運用と家族信託の助言:過度な冒険を避け、再現性と説明可能性を重視。
• 産学連携や地域との対話:中小企業の現場や大学・研究機関と向き合い、技術・医療・介護など生活に近い分野を意識した資金循環を模索。
•人材の結び直し:海内外の実務家と若手をつなぎ、民間からの地道な連携を広げています。
【Ⅴ. 人柄を映すいくつかの場面】
• 危機時の判断(2008年) 相場の混乱下で高リスク取引を抑制し、顧客の安全を優先。必要に応じて報酬を見直し、共に難局を越える姿勢を示しました。
• 東日本大震災の支援(2011年) 業務を中断し、寄付や物資調達、現地支援に尽力。「離れていても、心は同じ場所にある」という思いを形にしました
。• 若手時代の精進 偏見や先入観に屈せず、学び直しと実務で示すことに徹して評価を確立。
• 家族へのまなざし 帰国後は親世代と過ごす時間を大切にし、次の世代が胸を張って生きられる国にという願いを軸にしています。
Ⅵ. 生活に宿る「日本」
書道や茶道に親しみ、庭を整え、剣道や瞑想で心身を磨く――。静けさの中で自らを律する習慣は、相場観を養うことにも通じます。多忙の折であっても、節度と余白を忘れぬこと。これこそが、石橋の流儀である。
Ⅶ. 言葉
• 志は遠く、義は人の心に宿る。
• 生まれ育った土地に恩返しをする。
いずれも声高に語るための言葉ではなく、日々の判断に静かに影を落とす指針として大切にされています。